第204章

神代雪璃の指は赤い通話終了ボタンの上に浮いていたが、その言葉を聞いて手を止めた。

「前にもバーで同じことを聞いた気がするけど」

「今度こそ本当だ、信じてくれ」

月見映司の声には、隠しきれない苦渋が滲んでいた。

「君をこれほど長く誤解し、あんなにも酷い言葉を投げつけてしまった。今となっては……どうすれば自分の過ちを償えるのか、本当に分からないんだ!」

神代雪璃は歩道に沿って歩いていた。カフェのガラス窓越しに、激しく言い争っている両親の姿が目に入った。

彼女は表情を強張らせ、足を止めた。二、三歩引き返そうとしたが、また立ち止まり、踵を返して元の方向へと歩き出した。

今さら店に戻って...

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