第23章

いつの間にか、神代雪璃の視界は涙で滲んでいた。零れ落ちないよう、彼女は必死で目を見開く。

「嬉しいです……ありがとうござい……」

霧生嵐はその瞳に溜まった雫を見て、不快そうに眉を顰めた。彼は彼女の顎を指で持ち上げ、無理やり視線を絡ませる。

「焦るな。こんな機会は、これからいくらでもある。お前と父親を、『たっぷりと』対面させてやるからな」

彼女に思い知らせてやるのだ。彼女の存在そのものが、父親にとってどれほどの汚点であり、悪夢であるかを。

雪璃は拳を固く握りしめた。包帯の巻かれた指先から鋭い痛みが走る。

「……感謝いたします」

雪璃は口角を無理やり引き上げると、一歩後ずさりして彼...

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