第234章

「精一杯、努めさせていただきます。風間社ちょ……いえ、監……」

神代雪璃が言い淀むと、紗月莉子は無表情のまま彼女を見据え、手を差し出した。

「紗月莉子よ。自分の吐いた言葉、忘れないことね」

交わされた握手は一瞬で終わり、そこに温度はなかった。まるで冷徹な事務手続きのようだ。

神代永世は娘にいくつか真剣な調子で言い聞かせ、紗月莉子にも愛想の良い言葉をかけてから立ち去った。

彼が姿を消すと、紗月莉子は即座に財務本部長の席に戻り、神代雪璃にいくつか財務に関する質問を投げかけた。

神代雪璃の答えは、しどろもどろだった。

神代雪璃が顔を真っ赤にする一方で、紗月莉子の表情は険しさを増してい...

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