第242章

神代雪璃と霧生嵐はオフィスを出て、エレベーターに乗り込んだ。

霧生嵐の知名度は抜群で、彼を崇拝する者も多い。同乗した人々は抑えきれない興奮を漂わせ、ある女性に至ってはわざわざ歩み寄ってサインを求めたほどだった。

神代グループのビルを出て車に乗り込む段になって、ようやく霧生嵐が口を開いた。

「なぜ一人で優心に会いに行った?」

「会いたかったからよ」

神代雪璃はシートベルトを締め、視線を前方へ向けたまま答えた。

霧生嵐は身を乗り出し、片手で彼女の顎を掴むと、強引にこちらを向かせた。

「こうやって顎を掴まれるの、大嫌いなの」

神代雪璃は彼の手を払い除け、ゆっくりと言った。

「ずっ...

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