第253章

霧生嵐は、老人の枯れ枝のように痩せ細った手を、自身の掌で力強く包み込んだ。喉仏を上下させ、ようやく絞り出すように口を開く。

「爺さん、安心してくれ。霧生家は決して潰させない。そして……神代雪璃のことも、絶対に不幸にはしない」

その言葉を聞いた瞬間、霧生老人は最後の安堵の息を漏らしたようだった。

神代雪璃の手を握っていた力が抜け、ガクンと重力に従って垂れ下がる。

直後、無機質な機械音が病室に響き渡った。

ピーーーーーッ。

「お爺様!」

神代雪璃の瞳から、堪えきれずに涙が溢れ出した。

霧生嵐は奥歯を砕けんばかりに噛み締め、充血した瞳のまま、次第に冷たくなっていく老人の手を強く握り...

ログインして続きを読む