第26章

「優心は優しすぎるのよ。神代雪璃を殺人未遂で訴えて、一生刑務所にぶち込んでおけばよかったのに」

カチャリ。

神代雪璃は個室のドアを開けて外へ出ると、洗面台の前で化粧を直している二人の女を静かに見つめた。

彼女たちは月見優心と同様、かつては雪璃の「親友」だった者たちだ。

二人は長い廊下を抜け、静まり返った地下駐車場へと入った。

マイバッハの後部座席のドアが開き、霧生嵐が乗り込む。

神代雪璃は一瞬躊躇したが、意を決してその後に続いた。

バンッ!

重厚なドアが閉ざされ、外界の全てが遮断される。

車内は薄暗く、息が詰まるような圧迫感に満ちていた。

「月見映司と、階段の踊り場で何を...

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