第34章

「優心に近づくな!」

神代雪璃の足は元々怪我を抱えており、ただでさえ立っているのがやっとの状態だった。そこへ彼に力任せに突き飛ばされ、彼女はよろめきながら数歩後ずさり、背後にあった清掃カートに激しく激突した。

ガッシャーン!

カートに積まれていた洗剤のボトルや缶が床に散らばり、耳をつんざくような音が響き渡る。

雪璃の腰がカートの金属フレームに強打された。あまりの激痛に彼女は息を呑み、目の前が真っ暗になる。

だが、彼女の痛みなど誰も気にも留めない。

月見映司は咄嗟に月見優心の車椅子を庇うように抱き寄せ、緊張した面持ちで彼女の様子を確認した。

「優心! 大丈夫か? 怪我はないか?」...

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