第43章

神代雪璃は眉をひそめ、物音に目を覚ました泉凪紗に声をかけた。

「寝てていいわよ。私が出るから」

「うっさいなぁ、もう!」

泉凪紗は不満げに嘟囔(つぶや)くと、寝返りを打ち、頭から布団を被った。

神代雪璃がドアを開けると、そこにはキャミソールワンピースに酒紅色のコートを適当に羽織った夢前茜が立っていた。その首筋には、生々しい紫色のキスマークがいくつも咲き乱れている。

「何見てんのよ。あんまジロジロ見てっと目玉抉る……」

夢前茜は開口一番に罵声を浴びせようとしたが、神代雪璃の冷ややかな視線に射抜かれ、言葉を喉の奥で詰まらせた。

「警告したはずよ。私の前で汚い言葉を使ったら、二度と口...

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