第45章

神代永世は震える指で神代雪璃を突き刺すように指し示しながら、もう片方の手で心臓を鷲掴みにしていた。顔色は鬱血して紫色に変わり、見るからに苦しげだ。

「あなた、早く薬を!」

如月菫が悲鳴のような声を上げ、ハンドバッグから常備薬を取り出す。夫の口に薬を押し込み、背中をさすりながら彼女は懇願した。

「雪璃ちゃん、お願いだから……お母さんに免じて、これ以上お父さんを怒らせないでちょうだい」

「わ、私は……あいつの父親などではない!」

激しい息切れの中でも、神代永世は神代雪璃と神代家の絶縁を強調せずにはいられなかった。

月見優心の大きな瞳に涙が浮かび、白磁のような頬に赤い目元が痛々しく映え...

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