第47章

「嵐兄さんの褒め言葉として受け取っておきますね。でも、私にとっては有難迷惑な話ですけど」

月見優心は眉間を揉み、頭痛を堪えるように言った。

「兄さんはもうすぐ虹野光さんと婚約するんです。このタイミングで神代雪璃のことで揉めたりしたら、両家の顔が立ちません」

雾生嵐は手すりに両手を預けた。上質なシャツがその動作で張り詰め、鍛え上げられた胸筋のラインを浮き彫りにする。

「お前に頭の良くなる薬でも送ってやるべきか?」

「え?」

話題の転換についていけず、月見優心はきょとんとした。

雾生嵐は薄く唇を歪めた。

「一言一句に含みを持たせるのも、さぞ脳味噌が疲れるだろうと思ってな」

「嵐...

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