第105章

通報を入れてから、私は警察の指示に従って車を走らせた。

けれど、現場に着く前から異変に気づく。さっきまでネットに溢れていた疑念の声が、まるで示し合わせたみたいに一斉に消えていたのだ。

しかも、保存しておいた動画も写真も、どれも開けない。

――やっぱり。白坂敬人の死は、誰かが意図して起こしたものだ。さらに自分たちの痕跡を消すため、ネット上の声まで洗い直して潰している。

警察署が近づいた頃、電話が鳴った。見知らぬ番号。相手の声も、誰だか判別できない。

「白坂敬人の件を担当している大塚です。いま、どちらに?」

そう言われ、私は深く疑いもせず現在地を伝えた。

「あと十分くらいで着きます...

ログインして続きを読む