第11章

小野寺礼臣の言葉に、私は一瞬で警戒心を跳ね上げた。何か問い返そうとした、その矢先。彼は眉をわずかに吊り上げただけで、踵を返して去っていく。

迷う理由なんてない。私は赤ワインのグラスを置き、足早に追いかけた。

「小野寺社長、少し待ってください。はっきりさせたいことがあります」

小野寺礼臣はようやく足を止めた。

「……俺と話す気になったのか?」

「社長、話を途中で切るってどういうつもりですか。ずっと私に何か言いたそうだったくせに、今さら帰るなんて。わざと焦らしてるんですか」

彼の問いには答えず、私はこちらの疑問だけを投げる。

小野寺礼臣は私を見て、くっと笑った。

「前から言ってた...

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