第111章

正直に言って、顔に傷のある男は相当なタマだった。

小野寺礼臣を連れて一通り案内して戻ってくるまで、1時間以上。重たい扉をもう一度開けた瞬間、目に飛び込んできたのは――血まみれの人間だった。

顔全体が腫れ上がり、目は押し潰されて細い一本線。開いた口からはどろりと濃い血がごぼごぼ溢れていて、歯は一本残らず消えている。十本の指は、その半分ほどの爪がめくれ上がり、肉が裂けてぐちゃぐちゃだった。

小野寺礼臣が、汗だくのボディガード二人に視線を向ける。二人は無言で首を横に振ると、すぐに脇へ退いた。

私も反射的に小野寺礼臣を見る。ここまでやられても口を割らないなら、吐かせるのは骨が折れそうだ。

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