第115章

夕食を済ませて部屋に戻ると、私はスマホで手短に二通だけメッセージを送った。返信を確認してから、ノートパソコンを取り出す。

起動すると同時に、指が慣れた動きでキーボードを叩き始めた。小野寺礼臣の会社のシステムには、かなり本格的な侵入防止の仕組みが入っている。大半のウイルスや外部からの攻撃は弾けるだろう。

けれど――小野寺礼臣の会社と榎本槙野の会社には、互いに内通者がいる。それは隠すまでもない、周知の事実だ。

だから、内部システムに入ること自体は造作もない。

私は財務状況を覗く気はなかった。狙いは最初から一つ。室橋志岐の個人アカウントだ。

彼が表舞台に現れた年から、私は高速でログを追っ...

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