第116章

私の言い方には、少し探りを入れる意図があった。

大塚美耶は顔の笑みをいっさい崩さず、声の調子も波のように落ち着いたままだった。

「どうして駄目なんですか。誰であれ一線を越えたなら、罰は受けるべきです。ただ……私は仲介役ですから。あなたのお手伝いをする前に、双方の話を整理して、誤解があるなら解いておくこともできます。誤解なら、そのほうがいいでしょう?」

その言葉を聞いた瞬間、彼女が今日ここへ来た目的が見えた。

私は笑って茶を注ぐ。

「美耶さんの言うとおりです。誤解なら解けたほうがいい。私も知りたいんです。白昼堂々、車で人を殺しに来るような真似をするのが、いったい誰なのか」

汐見奈緒...

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