第120章

小野寺允樹の告白に対して、私はただ――面白いものでも見物するみたいな気分でいた。

こちらが何か言うまでもなく、夏川清美が崩れ落ちそうな顔で彼を見上げ、泣き落とすように訴える。

「允樹兄さん、そんなのひどいよ……。私、もう允樹兄さんの子を身ごもってるの。あなたが彼女を好きなら、じゃあ私は何なの?」

清美は前に出て、允樹の手を掴むと、半ば無理やり自分の腹へ押し当てた。

「ここにいるの、私たちの子だよ。私、もう一人……赤ちゃんを失ってる。ねえ、本当に私からお母さんになる権利まで奪うの?」

允樹の顔に、露骨な嫌悪が浮かぶ。彼は乱暴に手を引き抜き、眉を寄せたまま一歩退いた。

「この子がどう...

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