第133章

小野寺礼臣にそう言われ、室橋志岐は力なく笑ってグラスを持ち上げた。

「言えることは全部言った。……それでも、まだ俺を信じないのか?」

一拍置いて、彼は続ける。

「どうであれ、礼臣、葉夏。この一杯はお前らに。誤解が全部消えて、先に進めることを願ってる。――まだ、やるべきことがあるだろ」

私は目の前のグラスに手を伸ばさなかった。小野寺礼臣も同じだ。

室橋志岐は気まずそうに口元を引きつらせ、結局その酒を一気にあおると、小野寺礼臣を見据えた。

「享正グループはもう信用危機のど真ん中だ。大手銀行も回収に動き始めてる。小野寺景山は身内で火がついてるし、小野寺允樹じゃ支えきれねえ。――今が、お...

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