第142章

新年の空気は、執事がこちらへ来て身支度を手伝ってくれた瞬間、ふっと濃くなった気がした。

小野寺礼臣は玄関の飾りを見て、思わず苦笑する。

「立派な扉なのに、こんなの貼ったら変じゃない? 貼らなくてもいい?」

「だめ」

私と執事の声が、ほとんど同時に重なった。

執事はにこやかに説明する。

「こちらの習わしでございます。夕食の支度も整っておりますので、礼臣様も葉夏さんもお早めにお越しください。大旦那様がずいぶん長くお待ちで」

礼臣は頷いた。

「わかった。少し片づけてから行くよ」

軽く身の回りを整えて、私たちは隣の屋敷へ向かった。

夕食は豪勢だった。けれど、部屋の空気はどうにも重...

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