第143章

小野寺おじいさんがそこまで言った瞬間、場にいる全員の表情が、どこか微妙に揺れた。

いちばん露骨だったのは小野寺景山と氷上雅子だ。遺言書が二通目として出てきたということは、小野寺おじいさんの気持ちが完全に小野寺礼臣のほうへ傾いた証拠でもある。あの時点で、私と礼臣に六割を渡すつもりだったのなら――今回、口にする内容はどこまで変わっているのだろう。

小野寺おじいさんは相変わらず余裕のある笑みを浮かべたまま、執事に命じた。

「録音機を持ってきなさい。これから話すことを全部録っておけ。遺言書とは別に、証拠を残す」

小野寺景山が信じられないという顔で口を開く。

「じゃあ、前に弁護士が持ってきた...

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