第144章

隣の家へ戻ると、小野寺礼臣がまるで手品みたいに、もう一卓ぶんの料理を用意していた。顔いっぱいの、眩しい笑み。

「こっちが俺たちの夕飯。なつちゃん、あけましておめでとう」

私は口をあんぐり開けたまま、信じられなくて固まる。

「いつの間にこんなの準備したの? 全然知らなかった」

礼臣は私の頭に手を伸ばして、くしゃりと優しく撫でた。

「向こうじゃ、どうせろくに食べられないと思ってさ。先に作っといた。ほら、役に立っただろ」

そう言って私の手を引き、食卓の椅子に座らせる。さらに横から赤ワインを取り出し、グラスに二杯注いだ。

「この一杯は、仕事が順調なことを祝って。新しい一年、もっと上に行...

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