第148章

私の言葉に、彼女の顔色が白くなったり赤くなったりと忙しく揺れた。たぶん、その瞬間になってようやく思い出したのだろう。――あの家は、私が追い詰めて借金のカタに手放させた。今のあの人たちは、小さな一部屋に身を寄せ合い、持ち出せたブランド品を売って食いつないでいるだけだ。

彼女はすぐに視線を落とし、苦しげな表情を作った。

「……ええ。家は、なくなりました。でも、よく言うじゃない。お父さんとお母さんがいる場所が家だって。葉月、礼人さんは行方がわからないし、清美も……あの子、ずっと身体が弱いのは知ってるでしょう? 妊娠してからも、入院ばかりで何度も……こんな話、あなたにするのは違うってわかってる。...

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