第151章

小野寺景山は、小野寺おじい様が残した遺言どおり、私たちが受け取るべき遺産を素直に明け渡す気などさらさらなかった。あろうことか、裁判所に持ち込んできたのだ。

裁判所からの呼び出し状が届いたとき、小野寺礼臣はさすがに一瞬だけ目を丸くした。けれどすぐ、手元の書類を眺めながら可笑しそうに口角を上げる。

「このタイミングで、さっさと分けて換金することもできたのに、わざわざいちばん時間のかかる道を選ぶか。……まだ金に余裕があるんだろうな」

私は肩をすくめた。

「たぶん、あなたの出生のことを持ち出すつもりよ。遺産分割に異議があるって形にして、最初の遺言に戻して分け直そうって賭けてるんじゃない?」

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