第154章

夏川森たちは夏川清美を連れて去っていった。けれど、噂好きの火種はそう簡単に鎮まらない。

昼食の時間、私は小野寺礼臣が詰めてくれた弁当を持って、わざわざ社員食堂へ向かった。

人事担当のエミリがトレーを手に、私の正面へ腰を下ろす。食べている間じゅう、何度も何度も盗み見るように視線を寄こしてきて――ついに私のほうが根負けした。

「用があるなら言って。言いにくそうにするの、やめてくれる?」

エミリは気まずそうに笑う。

「社長、言っても……大口叩いたって思わないでくださいね」

私は鼻で笑った。

「その前置きが出た時点で、もう大口だよね」

「うっ……」

エミリはへへ、と乾いた笑いを漏ら...

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