第160章

手術は三十分ほどで終わった。脚は何重にもガーゼを巻かれ、病室へ戻されたあと、榎本槙野も顔を出した。

小野寺礼臣がリンゴの皮をむきながら、榎本槙野を見て尋ねる。

「どうだった? もう全部終わったのか」

榎本槙野はうなずき、ベッド脇まで来て私を覗き込んだ。

「怪我は? どこをやられた。大丈夫か」

私は首を横に振る。

「平気。脚に弾が当たっただけ。もう取ったし、骨には触れてないって。養生すれば治る」

「……顔は」

言いかけて、彼は言葉を飲み込む。

私は手を伸ばし、宙を探るように頬へ触れかけた。鏡を見なくても、傷口のえげつなさはわかる。

榎本槙野はすぐに言い直す。

「問題ない。...

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