第162章

榎本槙野の欠点を私が片っ端から並べ立て、汐見奈緒が小野寺家のゴシップを骨の髄まで掘り返した結果、結論だけは驚くほど一致した。――榎本槙野は奈緒には釣り合わない。小野寺礼臣は私には向いていない。

病室のドアが外から開き、榎本槙野と小野寺礼臣がそろって不機嫌そうな顔で入ってきた。

「もういいだろ。これ以上は言い過ぎだ」

小野寺礼臣がぶっきらぼうに汐見奈緒を睨む。さっきまで好感触だったはずなのに、急にボロクソに言われ始めた理由が理解できない、という顔だった。

榎本槙野も口を開く。

「葉夏。東南アジアで君と過ごした三年、俺なりに悪くなかったと思ってる。帰国だって金も手も出した。なのに、なん...

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