第163章

 一発――乾いた破裂音が響いた直後、間髪入れずに二発、三発。樫田石斗と楠田尚敬の太腿を、弾丸が寸分違わず撃ち抜いた。苦痛の叫びが通話越しにも生々しく届き、鼓膜がびりびりと痺れて耳鳴りがする。

 眉をひそめ、私はスマホのカメラから身を引いて耳を押さえた。なのに汐見奈緒は、最初の銃声で手が一度だけ震えただけで、そのあとは誰よりも安定して端末を構えている。しかも傷口へカメラを寄せ、容赦なくドアップにしてから、私に愚痴るみたいに言った。

「葉夏の脚の傷、あいつらより深い? 足りないなら、あと二発いく?」

 さらに奈緒は榎本槙野へ向き直る。

「これ、ほんとに法的に大丈夫なの? 私もやってみてい...

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