第164章

小野寺礼臣がもう一度病室に戻ってきた頃には、すでに清潔な服に着替えていた。血の匂いは微塵もなく、代わりにふわりと心地いい香りがする。

彼は私のそばまで来て腰を下ろし、笑って尋ねた。

「今、具合はどう? 今日の点滴、もう終わったよね。スープ持ってきた。ここじゃ作れないから出来合いだけど、明日は俺がちゃんと作る」

私は彼の顔を見上げ、指先でそっと頬に触れた。

「大丈夫。心配しないで」

小野寺礼臣は俯き、額を私の額に寄せて、低い声で言った。

「なつちゃん、俺は痛くないかって、それだけを気にしてるのに……なつちゃんはいつも『心配しないで』って言うだろ。そう言われるほど、俺はつらい。守れな...

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