第165章

病院に1週間入院して、さすがにもう限界だった。

「礼臣、先生も傷の治りは順調だって言ってたよ。家で静養すればいいって。……帰ろ? ねえ、お願い」

ここ2日、何度同じことを言ったかわからない。それでも彼は、退院手続きをしてくれない。

小野寺礼臣は手を伸ばし、私の髪をそっと撫でた。

「まだ完全に塞がってない。移動で揺れたら悪化する。いい子にして、あと半月だけ入院しよう」

「半月!?」私は思わず声が裏返った。「うちの会社が……」

会社の話を出したら、余計に退院を許してくれなくなる。そう悟って、私はすぐに作戦を変えた。

わざとしょんぼりした顔を作って、まっすぐ彼を見上げる。声も甘く落と...

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