第21章

パァン、と乾いた音が弾けた。豪快な平手打ちが夏川清美の頬に叩き込まれ、白い小さな顔が一瞬で真っ赤に染まる。相当な力だったのが見て取れた。

手を上げたのは夏川文雄だ。

「出ていけ!」

ほら、結局この人だって、誰かに「自分のもの」を叩かれたら腹が立つんじゃない。

その「誰か」というのがまた、どれだけ無理をしてでも「叔母さん」と呼ばなきゃならない相手の実の妹なのだから、笑える。

「お兄ちゃん……私を殴ったの?」

夏川清美は信じられないという顔で夏川文雄を見上げた。次の瞬間、目の縁に涙がいっぱいに溜まり、ぽろぽろとこぼれながら責め立てる。

だが夏川文雄は、妹の涙なんて視界に入っていない...

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