第23章

別れてから、汐見奈緒は国際貿易ビルのフロア平面図を持ち帰っていった。三日でパースを仕上げてみせる、と約束までして。

小野寺家に戻った頃には、もう午後になっていた。執事がすぐに出迎える。

「礼臣様、お帰りなさいませ。おじい様が昼にお電話をくださって、礼臣様のご予定を伺っておられましたが……」

小野寺礼臣はコートを脱いで脇に掛けた。

「今のところは特に。何かあった? 父さんはまだ戻ってないの?」

執事が慌てて首を振る。

「おじい様から伝言でして。ご用事がなければ、今夜は大塚さん、それから山村会長とご一緒にお食事を、と」

「用件は?」

礼臣がさらっと訊く。

執事は愛想よく笑った。...

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