第26章

汐見奈緒は彼の一言にムッとして、口を開きかけたまま説明をやめ、容赦なく言い返した。

「あなたに関係ある? ちょうど今日来たついでに平面図も見たし、現地も見ておこうと思っただけ。会社をどう設計するか確認するの。安心して、明日いちばん完璧な案を出してあげる」

夏川文雄が私たちの前に立ちはだかる。怪訝そうに私たちを見て言った。

「葉夏、君……夏川葉月を知っているのか?」

私が答えるより先に、汐見奈緒の短気に火がついた。

「その名前を口にしないで。あんたに言う資格はない」

文雄は奈緒には手を焼いているのか、それでも私の進路だけは塞いだまま、しつこく食い下がってくる。

「まだ答えていない...

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