第29章

汐見奈緒がまた私のところへ来た時、今度は完成版の設計図を持ってきてくれた。

ノートパソコンで彼女が送ってきた3Dのデータを確認し、思わず褒める。

「ぜんぜん鈍ってないね。これ、すぐ向こうに送る。あとはこの通りに作ってもらうから」

私が満足したのを見て、汐見奈緒の顔にもぱっと笑みが咲いた。

「お金、振り込んだよ。確認して」

スマホを操作してそう告げると、汐見奈緒の笑顔はすっと消えた。

「私がいつ、お金取るって言った? 言ったでしょ。あんたが私にデザイン頼むなら、飯おごってくれればそれでいいって。ついでにやっただけなのに……金なんて、私の顔に泥塗る気?」

私は慌てて笑ってなだめる。...

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