第34章

 入札説明会は格式高いが冷徹な空気の漂うコンベンションホールで開かれていた。パイプ椅子が整然と並べられ、会場は独特の緊張感に包まれている。

 小野寺礼臣に伴われて私が姿を見せると、商工会の山村会長が遠くから笑顔で迎えに来た。

 「礼臣くん、葉夏さん、ようやく来てくれたね。ずっとここで待ってたんだ。さあ、どうぞ中へ」

 左右からカメラと撮影機材のフラッシュが絶え間なく向けられる。私は赤いドレスの裾を少し持ち上げ、小野寺礼臣と手をつないだまま、無数の視線とレンズの前を落ち着いて歩いた。

 会場は広く、私たちは山村会長に案内されて最前列の席へ着いた。

 「ひとまず座っていてくれ。私は少し...

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