第35章

 数人の重役と食事を終えて家に戻り、ドアを押し開けた瞬間――さっきまでの気楽な笑顔が、じわりと薄れていった。

 リビングのソファには、小野寺のおじいさんと小野寺景山たちが、きっちりと揃って腰を下ろしている。まるで、私たちが帰ってくるのを待ち構えていたみたいに。

 「礼臣、用件は片づいたのか」

 小野寺のおじいさんが、険しい顔で問いかける。

 小野寺礼臣は、私の手のひらをこっそり二度、三度と指先でなぞって「大丈夫」とでも言うように落ち着かせると、私の手を引いて彼らの向かいに座った。何事もなかったふうを装って。

 「全部済んだよ。手続きも思ったより早かった」

 小野寺景山は、そんな体...

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