第39章

夏川清美のひと言で、周りの連中の目が一斉に輝いた。噂話が大好物の本能が騒ぐのだろう。火に油を注ぐほど、面白がる。

「誤解なら、ちゃんと話せばいいじゃない。身内なんだし、そこまで刺々しくしなくても」

「お姉さんって、もう3年も行方不明なんでしょ? 前の噂、あれ本当だったの? 6億の件で、怖くて戻れないとか」

清美は瞳の奥に鋭い光を走らせたかと思うと、すぐに視線を落として、いかにも被害者めいた顔を作る。

「奈緒さん……真相を知ってるくせに。父も母も、家の恥を外に出したくないから言わないだけです。私が何をしたっていうの? どうして私まで巻き込むんですか。私たちがお願いしたのはドレスのオーダ...

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