第60章

翌日、山村会長は私と小野寺礼臣を連れて、再び龍成クラブへ向かった。今度は自ら先頭に立ち、私たちを最上階まで案内する。

エレベーターの扉が開いた瞬間、ずらりと並んだ警備員が視界に入った。――その中に、かつて私をさらった山村もいる。

彼の視線が、意識しているのかいないのか曖昧な温度で、私の体の上をひと撫でしていく。すぐに視線を切ると、山村は私たち三人を引き連れ、奥の個室へ歩き出した。

廊下の照明はくすんだ黄味を帯び、左右の扉には番号も何もない。内装はどこも同じで、方向感覚が狂う。

突き当たりまで行き、山村が扉を二度、三度と叩いた。重い木の扉が、音もなく開く。

山村会長は笑みを貼りつけた...

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