第69章

夕食は驚くほど穏やかに終わった。唯一の不協和音は、食後の小野寺礼臣だった。

「明日、出社するとき俺も連れてって。君の会社、ちょっと見てみたい」

部屋に戻ったばかりだというのに、いきなりそんなことを言い出す。

私は眉をひそめて振り返った。

「何を見に行くの? あなた、見たことあるでしょ」

礼臣はどこか後ろめたそうに視線を逸らし、強がるみたいに言う。

「向こうは調べに行けるのに、俺は行けないっておかしいだろ。忘れんなよ、俺は専門家じゃねえけど販路は持ってる。提携って地域保護あるのか? あるなら、東南アジア市場なら俺が回せる」

思わず笑ってしまった。

「東南アジアなら、私も会社ある...

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