第83章

病室へ戻る途中も、遠藤真莉はついてきた。ふいに哀しげな顔に切り替え、私の歩幅に合わせて、ぴたりと後ろを離れない。

「葉夏……夏川葉月の味方をするのは分かる。でも清美は、今流産したばかりなの。警察に連れて行かれたら身体がもたない。お願い、ほんとにお願いよ。警察に一言言って。小野寺さんの治療費の賠償だって、あなたたちの言う通りにする。いくらでも払うから」

切羽詰まった視線が私に刺さる。今すぐ肯定の返事が欲しい、と言わんばかりに。

けれど、期待は外れる。

「清美が拘束されたの、誰かに通報された可能性は考えないの? ……あなたに言われて思い出した。私の手元にも、あの子の犯罪の証拠がある。傷害...

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