第90章

会社で用事を片づけるのが半分、残りの時間はほとんど病院にいる――それがここ最近の私の当たり前になっていた。急ぎの案件が出ても往復しなくて済むように、ノートパソコンまで病室に持ち込んだくらいだ。

小野寺礼臣はいつも、平気そうな顔を作る。

「介護の人まで頼んでるのに、そんな細かいことまで自分でやってたら、俺に使った金が無駄になるだろ。忙しいなら毎日来なくていい。飯も睡眠もボロボロじゃないか。夜は家に帰って寝ろよ。別に、付き添いが絶対必要ってわけじゃないんだし」

私はベッドサイドの棚に置かれた、ぬるくなった水を取り替えてから、彼の横に腰を下ろした。手近にあった本をぱらぱらとめくりながら言う。...

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