第96章

榎本槙野に食事をご馳走したあと、彼が車で送ってくれる道すがら、ふと尋ねてきた。

「帰るのは家か。それとも病院か」

「病院にします」

小野寺礼臣の付き添いはずっと私がしてきたし、用事を片づけたら病院へ向かうのが、もう習慣になっている。少なくとも、痛みで人を呼ぶほどのときにそばにいれば、少しは楽にしてあげられる。

榎本槙野は不満そうに私を一瞥し、露骨に嫌そうな顔をした。

「まさか本気で小野寺礼臣に惚れたとか言わないよな。知り合ってどれだけだよ。売られても金を数えてやるタイプだぞ、お前」

私は笑って受け流す。

「榎本社長、礼臣は本当にいい人です」

榎本槙野は鼻で笑った。

「覚えと...

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