第99章

車を走らせながら、バックミラーをちらりと見る。――また、あの車だ。

もう一週間近く、ずっとついてきている。

病院で私を尾行していた連中と、たぶん同じ筋だろう。

会社のビル前に車を停めても、私はすぐには降りなかった。ヒールの音を響かせながら、スモークフィルムの貼られたその車へ向かい、コツン、と軽く窓ガラスを叩く。

ゆっくりと窓が下りた。運転席にいたのは、サングラスをかけた中年の男。こちらを見ても、表情ひとつ動かさない。

挨拶なんてしている暇はない。

「何日もつけ回して、いったい何が目的? 後ろにいる人、出てきて一度くらい顔を見せる気はないの?」

男はサングラスを指で押し上げただけ...

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