第11章 家まで送る

二人は、互いの瞳の奥に沈んだままの重荷を見て取った。言葉にしなくても伝わってくる圧。無形の鎖みたいなもの。

散らばっていたピースは、ようやく薄い輪郭を結びはじめた。だが――真相は、いったい何だ。

技術部の外では、給湯室と廊下がもう噂話の温床になっていた。

『見た? 藤堂社長、冬木部長の部屋に午前中ずっとだよ。ドア一回も開いてないって』

『それどころじゃない。秘書室の子が言ってたけど、藤堂社長、自分で服と靴買って持ってったらしいよ』

『うわ……その距離、普通じゃないでしょ』

『技術部長って肩書きはカモフラじゃね? 社長の愛人で、入れとけば都合いいから――』

『しっ、声でかい!』

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