第18章 笑い話

ほどなくして入札案件の勝利が決定打となり、冬木澪は藤堂グループ内での立場を完全に固めた。

技術部の人間は彼女を見るだけで背筋を伸ばし、態度は恭しくなる。藤堂湊に接するのと、ほとんど変わらない。

「冬木部長」という呼び方が、いつの間にか標準装備になっていた。

以前、冬木澪を小馬鹿にしていた古参の山田さんですら、彼女が自分の席の前を通るたびにわざわざ立ち上がって会釈する。あの態度は、まさに百八十度の方向転換だった。

けれど当の冬木澪は相変わらず、表情ひとつ動かさない。視線も揺らさない。そんな扱いには慣れきっているみたいに。

注目が集まるのは、冬木澪にとって面倒が減るだけの話だ。余計な横...

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