第23章 気まず

ほどなくして、冬木澪が歩み寄り、ためらいもなくバンドを二本引き抜いた。

藤堂颯太の怯えた目と、藤堂湊のぽかんとした視線の中で、澪は湊の横へ回る。手際よく、湊の両手首をソファの無垢の肘掛けに“ゆるく”固定した。

ついでに、するりと活きた結び目。抜けないのに血は止まらない、ちょうどいい塩梅。

藤堂湊はどこか面白がったように手首をこねて、へらっと笑う。

「みお……おれ、しばるの……?」

冬木澪は相手にしない。そのまま藤堂颯太へ視線を移した。

颯太は反射的に跳ね起き、逃げようとする。

「おい! 冬木澪、何する気だよ?! 警告す――」

澪は二歩で詰める。さっきと同じ。迷いのない一連の動...

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