第24章 社長権限

藤堂湊はくしゃくしゃになったシャツを手早く整え、深く息を吸う。平静を装いながら、ドアノブに手をかけた。

ドアの向こうに立っていたのは、藤堂邸の執事だった。両手に醒ましのスープを載せた盆を捧げ、恭しく頭を下げる。

「若様、颯太様。奥様が昨夜はお二人とも飲み過ぎたとお聞きになりまして。醒ましをお持ちするよう仰せつかりました」

――あ。そうだった。

藤堂颯太はそこでようやく思い出す。

昨夜、母から電話がかかってきた。帰りたくなくて、咄嗟に「兄貴のところに泊まる」と取り繕ったのだ。

執事は二人の若様の顔色が不自然なほど硬いことにすぐ気づいたらしい。リビングの空気もどこか妙だったが、さすが...

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