第27章 思いがけず病気になる

翌日、冬木澪はいつも通り藤堂グループへ出社した。

高強度の業務と、小林花子の行方を執拗に追う執念。その両輪が、精密機器みたいな彼女の身体の中で休みなく回り続けている。

澪は、身体が鳴らすかすかな警報を徹底的に無視した。

彼女の極端に合理的な認識では、コアの論理演算さえ正常なら、それ以外は背景ノイズに過ぎない。

その日も、定刻きっかりに最上階――技術部長室へ姿を現し、膨大なデータと複雑なモデルを捌き、指示は正確で無駄がない。まるで、疲れという概念を持たないスーパーコンピュータみたいに。

けれど、その日の会議中。

藤堂湊だけは、微細な異変を見逃さなかった。

目の奥に沈む青灰色。とき...

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