第29章 仕組まれた接触

同時に、藤堂グループの株価も少なからず揺さぶられ、広報部の電話は鳴りっぱなしになった。

寝室で冬木澪は無表情のままタブレットのニュースをスクロールしている。視線は極地の氷みたいに冷たい。

並ぶ文字列なんて、本来なら気にも留めない。小林花子の芸なんて所詮その程度だ。

捏造、誹謗、中傷――。

だが今回に限っては、小林花子は「実の母親」に触れてきた。

藤堂湊が薬を運んで入ってくる。澪がまだ画面を凝視しているのを見ると、彼は彼女の手からタブレットをさっと取り上げ、脇へ置いた。

強引に見える動きなのに、力加減だけは無意識に柔らかい。

「見るな」

温かい薬椀をそっと澪の手元へ差し出す。指...

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