第40章 一段落を告げる

小林花子の声は、ほとんど叫びに近かった。

明らかに――彼女は、階下に藤堂湊が控えていることを知らない。自分が少しでも時間を稼げると、のんきに踏んでいる。

その間に、こっそりスマホで飛ばした合図が効く。打ち手が来れば、冬木澪は終わりだ。

小林花子がべったりと絡めてくる腕。その先で、冬木澪は母の翡翠の腕輪を見つけた。

胸の奥から逆巻く憎悪が、危うく「形見を取り返す」という目的すら押し流しそうになる。

「その腕輪――」

冬木澪が口を開いた瞬間、小林花子がぴくりと固まった。反射的に腕を引っ込めようとする。だが次の刹那、冬木澪が一気に力を込め、体勢を返して腕をつかみ直した。

「きゃっ!」...

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