第45章 お腹に気をつけろ

冬木澪がちょうど、やけに凝ったステージをクリアしたところだった。画面いっぱいに派手なクリア演出が弾け、きらびやかな効果音が鳴り響く。

それでようやく、彼女はのんびりと視線を上げる。にこやかな笑みを貼り付けた橋本日奈を見た。

冬木澪の目は凪いでいた。侮辱された怒りなんて欠片もない。あるのは、ほとんど無感情な見透かしだけ。

「ゲーム、クリアした」

淡々とした声。大きくもない。

彼女はスマホを伏せて膝の上に置き、橋本日奈をまっすぐ見据えた。

橋本日奈は、そんな返しが来るとは思っていなかったのだろう。言葉を失い、口を開けたまま固まる。

「橋本さん。私の人生に口出ししなくていい」

冬木...

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