第47章 嫌悪

露台の隅で橋本日奈に嗅がされ、意識を飛ばしていた藤堂颯太だった。

最後にそばにいたのは橋本日奈。せめて彼女から少しでも慰めがもらえるかもしれない――そう思って、半ば本能で日奈を探しはじめたのに、なぜか足は更衣室の近くへと向かっていた。

更衣室の扉はきっちり閉まっていない。細い隙間から灯りが漏れ、内側の話し声まで流れ出てくる。

藤堂颯太はズキズキするこめかみを押さえ、吸い寄せられるようにその隙間へ顔を寄せた。

その瞬間――目に入った光景が、颯太を雷で撃ち抜いた。

隙間越しに見えた冬木澪は、少し俯き、藤堂湊の容体を確かめるようにツボを押していた。けれど颯太の角度からは、それが湊の首筋に...

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